交通事故示談金の計算方法(4)~精神的損害~ | 交通事故被害者対応専門|士道法律事務所(大阪弁護士会)

交通事故コラム

2016.11.30示談金額について

交通事故示談金の計算方法(4)~精神的損害~

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前回の「交通事故示談金の計算方法(3)~消極損害~」では、消極損害というものについて説明しました。

今回は「精神的損害」についてです。

「精神的損害」には次のような種類のものがあります。

・死亡慰謝料(被害者が死亡したことによる慰謝料)
・入通院慰謝料(傷害の程度に応じた慰謝料)
・後遺障害慰謝料(認定された後遺障害等級に応じた慰謝料)

精神的損害とは、「交通事故による悲しみ・苦しみ等の精神的負担」のことを指します。
世間的には「交通事故でもらえるお金=慰謝料」と捉える向きもあるようですが、「慰謝料」というのは「精神的苦痛を慰謝(慰藉)するための金員」で、交通事故による損害の一部(またはその損害を補填するためのお金)のことを指します。

交通事故で問題となる慰謝料には次の3種類があります。

死亡慰謝料というのは、交通事故の被害者が死亡した場合に生じる慰謝料です。
一家の支柱という立場にあった人物で2800万円、母親や配偶者という立場にあった人物で2400万円、その他の人物で2000~2200万円という目安、相場のようなものがあります。
ただし、これはあくまで目安であり、金額は諸事情により増減します。

また、これは「死亡した本人の慰謝料」という位置付けで、これとは別に「死亡した被害者の近親者の慰謝料」というものが別途発生し得ます。

例えば、一家の支柱Xに妻Aと子Bがいて、Xが交通事故の被害に遭って死亡したとします。
X本人は交通事故に遭遇して、死の直前に重大な精神的苦痛を被り、2800万円分の慰謝料(死亡慰謝料)請求権が発生します。
そして、Xの死によりAとBに相続が発生します。
法定相続分に従えば、Aが1400万円分、Bが1400万円分です。
これに加えて、夫を失ったAに200万円、父を失ったBに200万円というように、それぞれ個別に慰謝料が生じることになります。

入通院慰謝料は、交通事故で発生した怪我の重さに応じた慰謝料です。
怪我の重さは入通院期間で判断することになります。
弁護士や裁判所が入通院慰謝料を計算する際には、専用の表を用います。
例えば、1か月入院・6か月通院・他覚症状あり、というケースだと、表の該当箇所をチェックして149万円、というように計算します。
通常は、全国基準の「赤本」という本に記載された表を用いますが、大阪では「緑の本」という独自の冊子に記載された表を用いることもあります。

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級認定がなされたときに発生する慰謝料です。
1級なら2800万円、7級なら1000万円、14級なら110万円というように基準が定められています。

注意していただきたいのが、一般に言う「後遺症」と、交通事故の損害賠償で問題となる「後遺障害」は別物だということです。
症状固定後も痛みや関節の動かしづらさがあるというケースは多いのですが、後遺障害等級認定で「非該当」となれば、後遺障害慰謝料は発生しません。

弁護士の有無で最も大きな違いが出るのがこの精神的損害です。
端的に言うと、示談交渉に弁護士が関わっているか否かで慰謝料の金額が数十万円~数百万円変わってきます
このあたりの詳細はなぜ弁護士が入ると示談金額が上がるのですか?をご覧ください。

次回は、「物的損害」について説明します。

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