交通事故示談金の計算方法(3)~消極損害~ | 交通事故被害者対応専門|士道法律事務所(大阪弁護士会)

交通事故コラム

2016.11.30示談金額について

交通事故示談金の計算方法(3)~消極損害~

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前回の「交通事故示談金の計算方法(2)~積極損害~」では、積極損害というものについて説明しました。

今回は「消極損害」についてです。

「消極損害」には次のような種類のものがあります。

・休業損害(入通院で仕事を休んだことによる減収分)
・後遺症による逸失利益(後遺症で労働能力が減衰した場合の減収分)
・死亡による逸失利益(被害者が死亡したことで失われた収入)

消極損害というのは、「交通事故に遭わなければ得られたはずの利益」を指します。
入通院が必要となって仕事に行けず、欠勤として給与が減らされた場合の減給分(休業損害)、身体が不自由になって賃金の低い職業に転職せざるを得なくなった場合の収入減分(後遺症による逸失利益)等がこれに該当します。

休業損害は、サラリーマンの場合、月額給与はいくらか、いつ休んだのかといったことを記載した休業損害証明書というものを会社に作成してもらって休業損害を計算します。

後遺症による逸失利益は、自賠責の後遺障害等級認定を受けていることが前提となります。
原則として事故前の収入を元に、1級なら100%、7級なら56%、14級なら5%というように、労働能力喪失期間に応じた損害額を算定することになります。
被害者の基礎収入、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率、年齢に応じた労働能力喪失期間、ライプニッツ係数を用いた中間利息の控除と、相当複雑な計算が必要になります。

死亡による逸失利益は、後遺症による逸失利益と似ていて、交通事故の被害者が生きていれば得られたはずの利益のことです。
基礎収入、被害者が生存していれば発生したはずの生活費の控除率、就労可能年数に対応するライプニッツ係数といったものを元に算定がなされます。

交通事故の損害の中でも特殊な類型のものであるため、一般の方はイメージしづらいところもあるかもしれません。
積極損害と違って、交通事故に遭わなければこうなっていたはずだ、という予測に基づく損害となるため、個人事業主でこれから業績が大きく伸びるはずだったとか、事故時は無職だったが就職活動を行っていたとかいうケースでは、この消極損害の算定方法でよく揉めます。

次回は、「精神的損害」について説明します。

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