保険会社が治療費の支払いを打ち切ると言ってきます。
- 2016.11.30
- 治療・後遺障害に関するご質問
交通事故の治療費の支払いについては、一定の手続を取れば保険会社が病院に直接支払います。
しかし、保険会社はいつまでも際限なく治療費を支払ってくれるわけではありません。
交通事故被害者が治療の継続と保険会社による治療費支払いの継続を希望していたとしても、保険会社が治療費の支払い中止を打診してくることがあります。
時期としては、保険会社が交通事故被害者の怪我はもう完治した、または症状固定となったと考える時期です。
対応策としては、概ね以下の3つが考えられます。
第一に、治療の継続が必要であると医師から保険会社に説明してもらうこと。
医師が完治または症状固定はまだ先で、医学的見地から治療を継続する必要があると考えているのであれば、保険会社もこれに従う可能性は十分にあると言えます。
ただし、自覚症状を医師にきちんと説明して、医師が継続治療の必要を認めていることが当然の前提となります。
第二に、健康保険を利用する等して自費で治療を継続すること。
治療のために必要な継続治療とその支出であると認められれば、後にこれを損害額に加えて示談または損害賠償請求することはかのうです。
ただし、「担当医が継続治療の必要性を認めなかった」という事実が先に立つことが大半ですので、後にこれを覆して追加の治療費の支払いを認めさせるのは困難と言えます。
「何となく違和感があり、鍼で楽になる気がする」等の理由で自分の判断で鍼灸治療等を続けるような場合は要注意です。
第三に、完治または症状固定との医師の判断に基づいて示談交渉に入ること。
医師の完治または症状固定という判断が間違っていないのだとすれば、これをもって後は示談の話に入るというのはある意味当然の話ですので、これは十分選択肢の一つとなります。
いずれも一長一短ありますので、状況を見て医師や弁護士と十分相談して方針を決めることが重要です。