2018.01.12示談金額について
交通事故で被害者が死亡した場合、加害者となった運転手には様々な責任が発生します。
大きく分けると次の3つです。
(1)行政上の責任
(2)刑事上の責任
(3)民事上の責任
それぞれについて概要を説明していきます。
(1)行政上の責任
一言で言い表すと、運転免許証の点数の問題です。
「交通ルール違反をして〇点減点された」とよく言われるものです。
ちなみに、日本の場合、違反ごとに点数が積み重なっていって、それが一定レベルに達したときに運転免許証の停止や取消といった処分がなされます。
なので、厳密にいえば「減点」ではなく「加点」ということになります。
人身事故を起こした場合、まず安全運転義務違反ということで2点が加算されます。
そして、相手を死亡させた場合、事故の原因によって点数が変化します。
通常のケース、事故の原因が違反者の不注意による場合は20点の加算です。
免許停止や免許取消になる点数は、前歴、つまり過去の違反の回数によって変化します。
もっとも、前歴がなかったとしても、15点以上で免許取消となるので、死亡事故を起こせば普通は一発で免許取消になる、ということになります。
(2)刑事上の責任
刑事裁判にかけられてどういう処罰を受けるかという問題です。
通常の死亡事故の場合、適用される罪名は「過失運転致死罪(自動車運転死傷処罰法5条)」。
法定刑は7年以下の懲役もしくは禁固、または100万円以下の罰金となります。
一定の危険な運転をしていて死亡事故を起こした場合、「危険運転致死罪(同法2条)」の適用が検討されることもあります。
アルコールや薬物を摂取して正常な運転が困難な状態で自動車を運転していたり、進行制御困難な高速度で自動車を走行させていたりすると、この罪に該当する可能性が出てきます。
この場合の法定刑は1年以上(20年以下)の有期懲役です。
もっとも、危険運転致死罪は過失運転致死罪と異なり、故意が要求されます。
この故意の立証のハードルが極めて高いため、危険運転致死罪での立件は極めて稀です。
(3)民事上の責任
被害者(側)に生じた損害をどう賠償するかという問題です。
死亡事故の場合、被害者本人は死亡してしまっているので、遺族が当事者となります。
損害の費目として通常想定されるのは次のようなものです。
・葬儀関係費用
・死亡慰謝料
・逸失利益
各損害の詳細については、今後別途解説を加えていきたいと思います。
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