交通事故コラム

2018.03.16示談金額について

交通事故で被害者が死亡した場合(3) ~死亡慰謝料~

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前回は交通事故で被害者が死亡した場合の損害費目の一つ、葬儀関係費用について触れました。
今回は死亡慰謝料について見ていきます。

 

交通事故で被害者が死亡した場合、問題となる死亡慰謝料には二種類あります。

一つは死亡した本人が被った精神的苦痛に対する慰謝料
もう一つは死亡した本人の家族が被った精神的苦痛に対する慰謝料

 

まずは本人の死亡慰謝料について。
金額の目安は次のとおりとされています。

一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
その他の者 2000万円~2500万円

この金額は一応の目安であり、具体的な事情によって増減します。
一例を挙げると、

・被害者は有職の主婦だった
・加害者(運転者)は極度の疲労状態にあったのに運転を止めなかった
・加害者の勤務先はそのことを知りながら是正措置を講じなかった
・加害者は居眠り運転で被害者に追突した
・被害者が死に至る態様が極めて凄惨で残酷だった

という事故で、本人分の死亡慰謝料の目安は2500万円であるところ、これが2700万円とされた事例があります(名古屋地判平成19年7月31日交民40.4.1064)。
なお、この事例では本人の死亡慰謝料の他、被害者の子2人に各200万円、母に100万円の慰謝料が認められ、慰謝料の総額は3200万円となっています。

 

次に、本人の家族の死亡慰謝料について。
金額の目安は概ね次のようなものです。

配偶者、配偶者がいない場合の親 200万円~400万円
子、兄弟姉妹 100万円~200万円
同居の祖父母等 50万円~100万円

こちらも、被害者との関係性、家族の数、同居の有無、事故との関わり等で増減します。

 

死亡事故の場合、被害者本人が死亡してしまっているため、相続が発生することになります。
例えば、

・一家の支柱である父親が事故で死亡した
・家族は妻と子ABの2人
・慰謝料は本人が2800万円、妻が200万円、子が各100万円とされた
・相続は法定相続分に従う

といったケースだと、次のような形になります。

本人分の死亡慰謝料は妻と子に相続されることに。
法定相続分に従うと、妻が1400万円、子が各700万円を相続。
妻は相続分の慰謝料1400万円、自己の慰謝料200万円、計1600万円を取得。
子Aは相続分の慰謝料700万円、自己の慰謝料100万円、計800万円を取得。
子Bは子Aと同じ。

 

最後に、交通事故で胎児が死亡した場合について。

民法上、権利義務の主体となる「人」の始期は出生時とされています。
つまり、出生前の胎児は法律上は「人」ではないという扱いになります。
そのため、交通事故で胎児が死亡して死産になったとしても、冒頭で挙げた「その他の者」として慰謝料を発生させる存在とはならない、というのが原則的な扱いとなります。

ただし、胎児が死亡した場合に一切慰謝料が発生しないというわけではありません。
胎児が死亡した事故で、150万円~800万円程度の慰謝料を認めた裁判例は存在します。
その場合、胎児の生育具合が大きいほど、慰謝料額は高額となる傾向にあります。

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